商品コード:1430-008[CBS] H.ブレス(vn)/ バッハ:無伴奏Vnソナタとパルティータ(シューマン編・Pf伴奏付き)/BWV.1001~1006
商品コード: 1430-008
商品詳細:これは通常のバッハの無伴奏Vnソナタとパルティータではない。1853年完成・出版、ロベルト・シューマンが独自のピアノ伴奏譜を付け加えた編曲版である。本来はヴァイオリン1挺だけで完結する曲であるがシューマンは19世紀ロマン派の視点から、原曲の単音メロディに潜む「暗示された和声や低音域」をピアノで可視化(可聴化)しようと試みた編曲である。 同時代の友人フェリックス・メンデルスゾーンが1840年にパルティータ第3番の「プレリュード」や第2番の「シャコンヌ」に伴奏を付けて演奏し、大成功を収めた。これに強く刺激を受けたシューマンは、全6曲全てに伴奏を付けるプロジェクトに挑んで完成させたPf伴奏付編曲版である。バッハの原曲を尊重しつつも、シューマン特有のロマンティックで重厚なピアノの語法が盛り込まれており、聴き慣れた無伴奏のフレーズでも、シューマンが付けたピアノのコード(和音)によって全く異なる曲想や新鮮な驚きが生まれている。20世紀以降は「バッハの原典をそのまま(無伴奏で)弾くべき」という風潮が主流になった為、このシューマン編が演奏・録音される機会は当録音までなかった。しかし近年、19世紀のバッハ受容史を知る貴重なアプローチとして再評価が進んでいる。現在もペータース社(Edition Peters)などから、シューマンが付けたピアノ伴奏譜(ヘルメスベルガー校訂など)が出版されており、入手可能である。基本的にヴァイオリン・パートはソロ演奏と同じであり、そこにピアノ伴奏譜が合奏する形式である。学術的にはヴァイオリン・パートにも多少の変更があるかもしれないが基本は変わって居らず、ヴァイオリン・パートはオリジナルのままがシューマンの姿勢であった。なぜシューマンはこんなことをしたのか? シューマンは晩年にバッハ再発見・研究熱が高まり、その中で生まれたものらしい。Da Vinciの解説によれば、フェルディナント・ダーヴィトがバッハの無伴奏作品を演奏する際、伴奏を即興的または書き加えた形で演奏したことがきっかけとなり、シューマンも「独奏ヴァイオリンだけでは暗示されている和声を不足する為、ピアノで明示する」という発想に至ったとされている。そして面白いのが、同じ1853年にシューマンは無伴奏チェロ版も作っている。つまり、シューマンが「隠れている和声」を聴き取り、それをピアノでそれを補うピアノ伴奏譜を起こしたということである。ピアノは意外なほど控え目である。現在のDa Vinci盤の解説にも、曲によってはピアノが「ヴァイオリンの歌に対して数個の和音を置くだけ」のような箇所があると説明されている。なおハイマン・ブレスは1963年頃米国MACEレーベルに無伴奏Vnソナタとパルティータ全曲を録音している。約7年後、ブレスはシューマン編を録音した。ハイマン・ブレスの意図は不明だが、2種の無伴奏Vnソナタとパルティータで何かを世に問うたのだろうか?
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