商品コード:1387-033[VSM] パルナンQt./ ドビュッシー:弦楽四重奏曲 Op.10, ラヴェル:弦楽四重奏曲
商品コード: 1387-033
商品詳細:1954年録音でPACIFICから発売されたパルナンQt.の旧モノラル録音は歴史に残る名演であった。これは15年後に再び録音されたLPである。更にラヴェルは1940年代に初回録音があるので3回目となる。ドビュッシーは2回目。1969年のステレオ録音で同じ団体だがメンバーは初回録音からヴィオラが交代し初代のセルジュ・コロから二代目のDenes Marton(デネシュ・マルトン)となっている。交代前の4人はパリ音楽院の同級生で長い間録音を行っていたが、ヴィオラはその後ドゥネス・マルトンからジュラール・コーセに交代した。詳細は不明だが「不幸な事故」によるものだったらしい。PACIFICの旧録音はパルナンQt.にとって特別な時期でありレーベルの優秀さと時代が相まって、若き情熱の発露等という表現では説明のつかない圧倒的なエネルギーが満ち溢れていた。圧巻の陶酔感、強烈な再生音と共に、情感の揺らぎ、音色の絶妙な変化など、およそSQ演奏の一大事件と言ってもよい傑作中の傑作だった。およそ不可能な表現力を持った奇跡の録音であったが時代は常に変化する。1969年という時期に同じような音が出ることはあり得ない。メンバーが同じではないが、更に音質が15年目とあまりに違い過ぎる点は「アナログの不思議」で片づける他はない。この点だけでも一つの研究対象となるからである。1969年までに多くの団体がラヴェル/ドビュッシーの定番LPを世に出した。1960年代以降はどの団体も個性はあるが、PACIFIC録音のようなパッションはない。パルナンQt.の2回目録音(ラヴェルは3回目)にも当時のパッションはもはや感じられない。では取るに足らない普通の演奏か?いや、これはこれでこの時代における素晴らしい演奏と言える。全体に角が取れ、磨かれてツヤ肌の陶器のような肌触りである。長年取り組んできた自国の曲だけに洗練の域に達した感である。上品な香りがして、自然な呼吸が感じられる、リラックス出来る演奏である。初回録音が最後まで緊張が抜けない演奏であったのに対し、再録音はリラックスして楽しめる秀演!尚この後、スペインENSAYOにもう一度再録音を行った。
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