商品コード:1387-012[CRITĒRE] R.クエト(gt) 他/ バッハ:リュート組曲3番B.995, ヴィヴァルディ:リュート・2Vn協奏曲RV.93, リュート・Vn三重奏曲RV.82
商品コード: 1387-012
商品詳細:このLPのA面のバッハ:リュート組曲第3番B.995はちょっとした問題作である。通常のB.995は無伴奏Vc組曲第5番ハ短調B.1011をバッハ自身が編曲したもので、自筆版が存在している。「ブリュッセル稿」と呼ばれるブリュッセルの図書館で発見されたB.995はト短調で、これはバッハの弟子がリュートで弾きやすい様に移調し、更に若干の編曲を加えた写本。そして「ブリュッセル稿」はもう一つ写本があり、こちらはト短調(リュート版)を元にイ短調に移調した上に構成にまで手を付けた異稿である。1楽章目のプレリュードが途中で終わり、中盤以降のフーガ部を2楽章として独立、本来の3楽章目にあたるクーラントを全てカットという、弟子が書いたのかも怪しげな版である。当盤のリュート奏者ラモン・クエトは、敢えてこの「ブリュッセル異稿版」での演奏を選んだ様である。ちなみに近代のギタリストの殆どがイ短調での演奏を行っているが、これは自筆版あるいはブリュッセル稿版からの編曲で、クーラントのカットは行っていない。B面にはヴィヴァルディの2曲で最初のリュート協奏曲 ニ長調はソロがギター+2Vnで、バックをVc、Cembで担当、2曲目の三重奏曲は原曲の通りギター、Vn、Vcの3人での演奏。ギターのラモン・クエト(1932-2010)はスペイン・バルセロナ生まれ。地元でセゴビア楽派とも親交があったプジョールに師事。パリ・ギター・アカデミーでクラシックギターを学ぶ。1960年、ラモン・デ・セビージャという名義で、ソレア、シギリージャ、ファンダンゴ、タンギージョ、サパテアードの5つのパロを収録したEPを録音した。特にスペイン音楽のレパートリー、マヌエル・デ・ファリャ、アルベニス、グラナドスに秀で、これらの曲は多くの編曲版を手掛けた。フェデリコ・ガルシア・ロルカの「ポエマ・デル・カンテ・ホンド」をVEGAに録音している。Critèreには2枚の12"盤があり、これはその1枚。もう1枚はLe Livre D'Or De La GuitareというタイトルでCRD 135で発売された。パリのクラブ「プラン・ヴァン」でよく演奏していたらしい。録音は少ないがフランスでは知られたギター奏者だったようである。テンポも良くじんわりと沁みるような演奏である。クエトの卓越した技量のお蔭だろう。
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