商品コード:1387-052[VSM] A.チッコリーニ(pf) / リスト:詩的で宗教的な調べS.173, 巡礼の年・第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」S.162(抜粋3曲)
商品コード: 1387-052
商品詳細:チッコリーニはロマン派作品をあまり録音しなかったがリストだけは得意としていて'60年代初期に録音した「巡礼の年」3枚は代表作。1968年に録音した「詩的で宗教的な調べ」は「巡礼の年」とは正反対に録音事実すら知られていなかった。「巡礼の年」ほど有名ではいがリストが特別な思い入れが伝わる経緯を持った名曲集である。1834年、若きリストはラマルティーヌの詩集「詩的で宗教的な調べ」に感銘を受け、同名の標題音楽「詩的で宗教的な調べ」を作曲し、翌年音楽雑誌「ガゼット・ミュジカル」の付録として発表した。これは現在知られている組曲ではなく単一曲であり、後に最終版 S.173の第4曲「亡き人たちの思い」となった原曲である。カロリーネ・ザイン=ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人に献呈。演奏時間は全曲で80~100分。最終版 S.173の第3曲「孤独の中の神の祝福」及び第4曲「亡き人たちの思い」は約15分であるが、短い数分の曲も含まれており、組曲全体が自由な発想の下で、規模の異なる曲で組み立てられている。また、第4曲では聖歌が用いられ、第2曲、第5曲、第6曲ではリスト自身の合唱曲から素材が転用されたりと、ピアノ独奏曲でありながら合唱を連想させる音楽である。「詩的で宗教的な調べ」の成立過程は非常に複雑で込み入っていて版が多い。しかし実際の演奏では決定稿なので、過程を知る必要は小さい。「巡礼の年」が風景描写的な作品なのに対し「詩的で宗教的な調べ」は哲学的・宗教的な作品であり、瞑想的で宗教的なムードを作り出す為に、テンポはゆっくりとしたものが多く、10曲がそれぞれに異なる性格を持ちながらも、不完全な和音や開放感が多様される為、完結しない印象を与えるものの、これが「求道的」な雰囲気を生み出し、聴き手を精神的に引き込む要素となっている。最終的には精神的・宗教的なテーマを持った物語のように完結する。リストの曲に特徴的な超絶技巧は全面には出ない。リスト的ではないリスト作品の傑作である。「巡礼の年」の録音で名を馳せたチッコリーニのあるべくして録音されたLPである。ただし「巡礼の年」の陰に隠れた知られざる密かな名演!Vol.2には「巡礼の年」3枚から漏れた巡礼の年「第2年への追加ヴェネツィアとナポリ」の3曲が入る。この3曲も当番号がオリジナル。後にこの3曲は「巡礼の年」3枚の再版の端に挿入された。
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