商品コード:1384-018[SUPRAPHON] E.ベルナトヴァ(pf)/D.バログホヴァー(pf)/ ラヴェル:Pf協奏曲, バルトーク:Pf協奏曲1番
商品コード: 1384-018
商品詳細:特にラヴェルに関してはフランスまたはラテン系のピアニストを招聘しての録音であってもおかしくない所だが、この録音では敢えて全員チェコ人で固めた録音であった。東ドイツのETERNAでさえ1970年代中期まではフランス系作品はフランス人ピアニスト(セシル・ウーセ)を招聘しての録音だったことを考えると、チェコはこの時点で大きく舵を切ったようだ。ラヴェルのPf協奏曲は1960年頃にはベートーヴェンやモーツァルトと同等のメジャー作品となっており、このレベルの曲は自国の演奏家でやるべきと考えたのだろうか? ラヴェルを演奏したエヴァ・ベルナートヴァー(1922-)はハンガリー生まれのユダヤ人の女性ピアニスト。旧姓はEva Surányi(スラーニ)でチェコ人の夫(ヴァイオリニスト・ヨゼフ・ベルナート)を持ったのでチェコに帰化したものと思われる。7歳でハンガリーのリスト音楽院に入学。、その後ウィーンで Paul Weingarten らに師事した。第二次世界大戦中、ユダヤ人であった彼女とその家族はドイツ軍占領下で財産を没収され、ゲットーに収容された期間があったらしい。プラハで活動を開始し、チェコや東欧圏の音楽家たちと交流を深めた。1948年、プラハでチャイコフスキーの ピアノ協奏曲第1番 でデビューを果たした。予定していたピアニストが急遽演奏できなくなり代役を務めた。1950年代~1960年代にかけて多くの録音を残し、ソロ作品、室内楽、協奏曲など幅広いレパートリーを扱った。1965年、夫婦でロンドンに移住。ソ連軍のプラハ侵攻(1968年)後はプラハへの帰還が困難となり、プラハの自宅を放棄。1969年にはロンドンのプロムス(BBC出演)で、チェコ・フィルハーモニーと共演し、彼女がベートーヴェンの ピアノ協奏曲第2番 を演奏した場面がテレビ放送された。1974年、演奏活動から引退。1970年~1991年にはロンドンのトリニティ音楽大学にてピアノ教授として後進の指導にあたった。ロンドンでも高い評価を得ていた。ユダヤ人ということもあり、自国音楽にとらわれずにラヴェルに挑戦できたのだろう。スメターチェクの指揮がなかなかのもので、東欧のレーベルとは思えない本格派の演奏。フランソワ/クリュイタンスのようには行かないまでも十分に愉しめるラヴェルになっている。B面の バルトークはダグマル・バログホヴァー(1929-)、スロヴァキア・Ilava生まれの女性ピアニストがソロをとる。オケはM.トゥルノフスキー指揮プラハ放送so。バログホヴァーはプラハ音楽アカデミーを卒業。後にプラハ音楽アカデミー(AMU)にて教職を持ち、後進の指導に携わっている。SUPRAPHONにそこそこの録音があるが、詳しい情報はない。教育者として大いに活躍した。2つのPf協奏曲を収録した入荷の少ない希少なLPで内容・音質ともに良いLPである。
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