商品コード:1384-029b[Concert Hall] F.グルダ(pf) / シューベルト:4つの即興曲D.899, 楽興の時D.780
商品コード: 1384-029b
商品詳細:グルダにはConcert Hall系の録音もある。シューベルトとしては親しみやすいプログラム。グルダの考えるシューベルト像とは、ここでの演奏が物語るように、明暗を対比させ、はっきりした音で語らせる。逆に強弱の対比はあまりやりすぎず聴きやすい。彼ならではの装飾音も面白いが、グルダならではと感じさせるのは、確かなリズム感で、テンポは変えすぎず、安心して聴いていられる。健康的なシューベルトとも言える。AMADEO録音で見せる過激なグルダ節はここでは影を潜め、かなり正統的なアプローチではある。しかしそれは表面的に過ぎず、細かな表情や奇異なリズム、強弱等で大いに独自の世界を表現しており、グルダファンには当然だが、そうでない方には表現過多の演奏に感じられる。小品が大作のように大袈裟に演奏されるので注意が必要。フリードリヒ・グルダ(1930- 2000)はウィーン生まれのピアニスト。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの演奏を特に得意とした。ジャズ演奏でも知られる。20世紀を代表する巨匠ピアニストの一人である。1960年代はイェルク・デームス、パウル・バドゥラ=スコダとともに「ウィーンの三羽烏」と呼ばれた。1950年頃からDECCAに録音を開始、1959年を最後にDECCAを去りDGGへ移籍。当時多くの大物器楽奏者がカルショウの方針と合わずにDGGへ流れた。グルダもその一人。DGGには1960年頃まで録音がある。コンサート・ホール・グループは大物音楽家のこうした移籍前後の機会を常に虎視耽々と狙っているようで、DGGを離れる際にも接触があったようである。コンサート・ホールは強い縛りをかけず、ある程度自由な籍のまま録音の機会を提供していたようである。グルダは1960年頃AMADEOに正式に移籍するも合間を縫ってコンサート・ホールに時折録音を開始した。この緩い契約が演奏家にとっては重荷にならず良かったのだろう。グルダは1969年頃までに数点の録音をコンサート・ホールに行っている。特にモーツァルトのPf協奏曲21/27番が知られる。このシューベルトは1963年にスイスで録音されたが1970年頃になって発売された。ウィーン生まれのグルダにとって同じくウィーンで生涯を送ったシューベルトの作品には何か通じるところがあったに違いない。ここではそこまでのデフォルメはせず、素直にシューベルト的な気分を出している。しかしこそはグルダである。細部に自分らしさを散りばめて完全に自身のスタイルとしている。あまり詳しくこれらを聴いた事がない方にはどこがどう違うのか分からないレベルでの違いなので、グールドのような演奏ではない。しっかりシューベルト作品として鑑賞できる秀演!
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