商品コード:1384-034[GUILDE du DISQUE] L.クラウス(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ集/8番Op.13「悲愴」, 19番Op.49-1, 21番Op.53「ワルトシュタイン」
商品コード: 1384-034
商品詳細:L.クラウスと言えばモーツァルト全集が有名だが、ベートーヴェンの録音もある。《悲愴》/19番/《ワルトシュタイン》の3曲収録。クラウスの演奏は強すぎもせず、かといって優しすぎもせず、中庸なベートーヴェンといったところ。《悲愴》の2楽章では通常よりかなり遅めのテンポで、静かに語るように弾いているのが印象的。《ワルトシュタイン》の聴き所の一つであるアダージョは、音色が音楽言語の優位に立つ、リスト、ドビュッシーへと繋がる新しい器楽書法を用いている。チープレーベルと馬鹿にすると音楽を楽しむという本来の目的から逸脱してしまう。リリー・クラウスはいかなるレーベルの録音でもリリー・クラウスであり続ける個性の強さと豊かさを持つピアニストである。VOX、Les Discophiles Français、Ducretet Thomsonと様々なフランスレーベルに珠玉の録音を残してきたピアノの女王が、1960年代半ば米国EPICに移籍することになる。コンサート・ホールはすかさず機会を窺い、リリー・クラウスさえも自社の音楽家に取り込んでしまった。勿論縛りの緩い自由度の高い契約だったと思われる。1960年または1年程度前にコンサート・ホールにシューマンの協奏曲とベートーヴェンの協奏曲4番を録音した。恐らく本人にとって快適な環境だったのではないだろうか?その後1961年にはこのベートーヴェンのソナタ集が発売され、モーツァルトの協奏曲集が2枚、ベートーヴェンの協奏曲3番と続けて録音が発売された。1965年頃までにかなりの数のLPをコンサート・ホールから発売したのである。その後も続くかに思われたのだが、1966年から発売が始まった米EPICが難色を示したのだろう。コンサート・ホールと手を切らせたのだと思われる。コンサート・ホール側も想定内であり、少なくともかなりのタイトルのリリー・クラウスのLPを世に出すことができた。その収益は全世界で大変なヴォリュームになったと思われる。確たる信頼の乏しい多国籍レーベルであるコンサート・ホールが売上規模世界最大となった実績は沢山の大物音楽家に居心地の良い環境を用意して気持ちよく録音してもらったという点に尽きる。これはレコード・ビジネス以外にも通用する商売の原理原則を含んでいる。このリリー・クラウスの伸び伸びとした演奏がその証拠となるだろう。またリリー・クラウスはいかなるレーベルの録音でもリリー・クラウスであり続ける個性の強さと豊かさを持つピアニストである事が証明された録音でもある。
L.クラウスの在庫一覧へ









