商品コード:1380-037[PHILIPS] B.ワルター/ ベートーヴェン:交響曲6番Op.68「田園」
商品コード: 1380-037
商品詳細:コロンビアso.との録音にはHIFIステレオレーベルがあるのでステレオ盤が注目されるのは当然だろう。だが何故モノラルとステレオの両方が約10年にわたり平行発売されたのか?ステレオだけにメリットがあるならモノラルは即刻廃止すべきでは? 何故モノラルも残っていったのか考えれば理解される。ステレオプレスと比較してなお、中止できない魅力があったからである。日本ではなかった現象だけに理解が難しいのは解かる。しかし安価なので一度聴いてみれば説明はいらない。モノラルプレスの音には大いなる魅力があるのである。当社のお客様の多くが理解されているはずである。ニューヨークpo.との初回モノラル録音の時の気迫は減じるものの、これ以上変更しようがないほどに考え抜かれた端正なフォルムは芸術的であり、快い。無駄な音を出さず、しかも語るべきはきちんと語るというワルターの本質が見事に体現されている。厚みのある音楽的な音質はステレオにはない良さがある。他にもっと迫力に満ちた演奏は他にもあるが、ここまで磨き込まれ、洗練された演奏もそうないだろう。ゴツゴツしたところがなく、細部にわたってよく工夫された巨匠の技!そもそも米COLUMBIAはブルーノ・ワルターがまだ存命中にステレオによるベートーヴェンの交響曲全集を録音したいというのが悲願だった。振り返ればカザルス音楽祭のライヴを世に出すためのLP開発を急いだ1940年代後期と似たような動機が感じられる。しかしそのような制約の中での努力があったからこそ我々はワルター/コロンビアso.のベートーヴェンをモノラルとステレオの両方で聴くことができるのである。選択肢があるのは幸福ではあるまいか?そんな使命感に駆られた人々によって今は当たり前の物が世に存在する。ワルターは勢い余ってブラ―ムス全集他まで録音してくれた。好き嫌い以前にコロンビアso.なる誰も聴いたことのない録音専用のオーケストラまで用意したコロンビア・レコード社の経営陣の情熱に思いを馳せたい。ワルターの録音が現在でも歴史的遺産としてではなく現役のスタンダード・チョイスとして通用している点で米コロンビア経営陣は歴史を見通す先見の明があったといえる。モノラルとステレオの両方があればその二つは別物といえる体感の違いがある。モノラル盤は安価だが決してステレオに劣るものではない。
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