商品詳細：ハスキルが得意としたシューマンのソロ作品だけで1枚製作したLP。1952-55年のPHILIPSでの初期録音である。PHILIPSでは子供の情景Op.15と森の情景Op.82の2曲入り10"・A 00775 Rが発売された。また色とりどりの小品～8曲はシューベルトPfソナタ21番とのカップリングで初期12"のA 00108 Lで1954-5年頃リリースされていた。その後PHILIPSでは「ハスキルのシューマン」というタイトルで1枚発売しようを考え、当12"のシューマンだけのカップリングでA 00372 Lとして12"発売した。したがってA 00372 Lは発売としては全て再版、「ハスキルのシューマン」というカップリング替えLPのオリジナルということになる。当盤はその第2版となる。ハスキルのようなデリケートな感性のピアノは、音と音の間に情報がつまっていて、再版でこの情報が欠落すると、干からびたつまらない音になってしまう。決して明快とは言えない彼女のピアノの魅力は初期プレスでしか味わえないのだ。当録音は1952-1955年の間にポツポツと録音された音源を集めたLPであるが1956年には発売されていて音質の方は初期プレスと同等で全く問題ない。当第2版盤も初期プレスである。ハスキルのふくよかに膨らんだピアノの音が初期プレスと殆ど変わることなく情感を伴って出てくる。言葉にならない言葉のような、ニュアンスが命のハスキルを完璧に味わえる。全くよくできたカップリング替えLPである。

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