商品コード:1378-047[DECCA] C.カーゾン(pf) / シューベルト:Pfソナタ21番D.96, 4つの即興曲D.935~第2番
商品コード: 1378-047
商品詳細:シューベルトの遺作ソナタは実に美しい曲である。デリカシーを演奏者に求める曲だろう。カーゾンは繊細さとダイナミズムを併せ持った名手中の名手。SXLの効果もあり、濁りの無い澄んだ音色と粒立ちのはっきりしたクリアーなタッチで、情感のみに頼らない構成のしっかりした演奏で、安心して聴ける。フォルテでもまったく音割れの心配のないSXLの力はさすがだ。甘さだけでは耐え切れない大曲だけに、彼の実力が存分に光る。よく聴くと、カーゾンの唄声が聴こえる。録音は1972年9月に英国オールドバラ・スネイプ・モールティングスで行われた。この会場はオールドバラ音楽祭に使用される建物で、19世紀に建てられたイーストアングリア最大の麦芽製造所を改造して、スネイプ・モルティングスと呼ばれる大規模なホールの建設が始まった。1967年6月2日、第20回音楽祭の開催に合わせて、女王エリザベス2世列席のもと、こけら落としが行われた。2年後の1969年の音楽祭初日にスネイプ・モルティングスは火災により焼失したが、翌年に再建され、再び女王の列席のもと開催式典が行われた。オールドバラ音楽祭は通常6月に開催されるが、この録音は9月に行われている。情報が正しければ、オールドバラ音楽祭での録音ではなく音楽祭終了後に単独での録音ということになる。スネイプ・モールティングスで録音されたことは間違いない。但し録音技師などは不明。カーゾンはDECCAのシューベルトのソナタ17番や即興曲全8曲も録音していて、シューベルトは決して苦手な作品ではない。演奏はドイツ系のピアニストは大きく異なり、ロマンティシズムを排した清冽な仕上がり。まるで誇張の無い誠実な演奏である。あっさりと淡泊、よく言えば端正な演奏である。カーゾンは、レコーディングが嫌いな割には多数の録音がDECCAに残されている。ドイツ・ロマン派作品が苦手な方はカーゾンの演奏なら聴けると思われる。
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