商品詳細：ハイドンセットの6曲(14～19番)に20～23番(ホフマイスター+プロシャ王セット)の4曲を加えた計10曲。これがモノラル期ブダペストQt.のモーツァルト:弦楽協奏曲の全録音である。この団体のモーツァルトは、過去に幾多の議論があったにせよ、仏プレスオリジナルで聴いてみると、その穏やかさ、艶やかさに、改めて一つの完成されたスタイルであることを痛感させられる。アメリカ盤のあのギスギスした耳に突き刺さるような音は、ここには無い。推薦に値する内容と確信する。このように欧州バラ・オリジナルで揃えるのは非常に大変! 5枚が同一国籍、同一レーベル、盤質7以上で揃うことは滅多にないことである。ブダペスト弦楽四重奏団は1917年にブダペスト歌劇場管弦楽団のメンバーによって結成され、メンバーの変遷を遂げながら1967年2月まで活動した団体である。1938年からアメリカに定着して活動し、最終的なメンバーは全員ロシア人となり、ハンガリーおよびブダペストとは関係が無くなったが、名声を得たのはロシア人のヨーゼフ・ロイスマンが第1ヴァイオリンとなって以後である。19世紀からのロマン主義的な歌い回しを避け、活動当初は徹底した新即物主義的な解釈を行ったこと、第1ヴァイオリンの圧倒的優位を避け、各声部の平等主義を取ったことなどから、現代の弦楽四重奏演奏のスタイルに大きな影響を与えた。1940年から長年にわたりアメリカ合衆国の議会図書館つきの弦楽四重奏団としても活躍し、ガートルード・クラーク・ホイットール夫人 Gertrude Clarke Whittall が1935年に議会図書館に寄贈したストラディヴァリウスを演奏に使用した。なお、この地位の1962年以降の後任がジュリアード弦楽四重奏団であり、楽器も彼らに引き継がれた。ほぼ3回のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集録音が特に有名だが、彼らのモーツァルトはまた別の魅力を持つ演奏である。武骨な印象のブダペストQt.だが、モーツァルトではベートーヴェンとは大きくアプローチを変えている。潤いも感じられ決してごつごつした演奏ではない。硬派ではあるが芯の通った律儀なしなやかさが感じられる古風な演奏である。ブダペストQtのベートーヴェンがお好みの方にはこちらもお宝となるバラセット!但し米国盤の場合はそうとも言い切れないので注意、あくまで欧州盤に限ってのコメントである。フランス盤の内訳は以下である。A 01125(14/15番)/A 01202 L(16/17番)/A 01204 L(18/19番)/A 01233 L(20/21番)/A 01234 L(22/23番)。ステレオ時代の録音はない。

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