商品コード:1377-055[HMV] C.ルートヴィヒ(ms) F.ヴンダーリヒ(t) O.クレンペラー/ マーラー:連作歌曲「大地の歌」
商品コード: 1377-055
商品詳細:マーラーの「大地の歌」は本来交響曲第9番として作曲、その完成度は高く、独自の管弦楽伴奏付歌曲の中心を成す。高音質のエンジェル・シリーズで今、世界中のファンの人気を集める。クレンペラーの「大地の歌」は同じくマーラーの弟子であったB.ワルターとよく比較される。情念渦巻き暗い影を落とすワルターの演奏と比べ、クレンペラーはもっと客観的な姿勢をとる。大きな感情の爆発は抑えている。外観は鋼鉄の鎧で固めた堅牢な砦のような印象だが、内側には冷静な灯がともる。クレンペラーはどんな曲に対しても冷徹な意志を貫く姿勢は変わらない。情熱的な曲に対しても全く同様であり、時に拍子抜けするほどの淡泊さを感じる事もある。この「大地の歌」にもある種の淡泊さが付きまとう。それを可能にしているのが2人の歌手である。クリスタ・ルートヴィヒとフリッツ・ヴンダーリヒ。録音は1964年と1966年にまたがった録音であるにも関わらず、それを感じさせない点が評価される。ルートヴッヒとヴンダーリヒの2年越しの協力があったからだろう。オーケストラは、1964年分がフィルハーモニアo.、1966年分がニュー・フィルハーモニアo.である。フィルハーモニアo.の所有者であるウォルター・レッグが1964年3月10日に一方的に解散宣言をした為である。二つのオケはほぼ同じなのだが、年代で名称が異なるのでジャケットには両方が表記されている。当然ウォルター・レッグはニュー・フィルハーモニアo.ではプロデューサーから居りて、代わりにピーター・アンドリーに変更。録音技師もフィルハーモニアo.ではダグラス・ラーターだったが、ニュー・フィルハーモニアo.分はロバート・グーチに変更。基本同じオケだが、色々と変革があった。1977年より再びフィルハーモニアo.と名称は戻るが、全てがもとに戻ったわけではない。クリスタ・ルートヴィヒとフリッツ・ヴンダーリヒという2人の歌手こそがクレンペラーの意思を的確に表現した歌手だったようである。異なる環境の録音を聴く者が感じないように上手く繋いだEMIのスタジオ技師は表には出ないが敬意を贈りたい。ヴンダーリヒが歌った第1・3・5楽章は全て1964年11月フィルハーモニアo.による録音(ロンドン・No.1 Studio, Abbey Road)、クリスタ・ルートヴィヒは既に1964年2月に2つの楽章をフィルハーモニアo.(Kingsway Hall)と録音、残りの1楽章のみ1966年7月にニュー・フィルハーモニアo.と録音された(ロンドン・No.1 Studio, Abbey Road)。その為当LPに発売は1967年になった。ヴンダーリヒは当初1964年9月に自身の演奏を録音する予定であったが11月に延期された。オケの変革の中で2年越しに完成したマーラー:大地の歌。
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