商品詳細：サティの歌曲などを含む1971年頃発売の稀少作品集。サティのピアノ・ソロ作品全集を6枚のLPに初めて全曲録音を行ったアルド・チッコリーニが中心となり企画された稀少作品集である。A面は1913年作の1幕の喜劇「メドゥーサの罠」。「メドゥーサの罠」は異色の劇作品で、P.ベルタンのナレーションとH.デシャン、J.M.ファルキック、M.ローランスの3人の俳優が出演する劇作品でレチタティーフやアリアのような歌はない。全てセリフである。登場人物の会話で構成された全9場に、機械仕掛けの猿ヨナスの7つの踊りが挿入され、踊りにのみ洒脱な音楽が付く、これまでになかった構成。アルド・チッコリーニ指揮パリ・コンセール・ラムルーo.の音楽が付くものの、しばらく完全にセリフのみとなる。A面全て使われる。B面には管弦楽演奏の「操り人形の踊り」、その後には歌曲が4曲続きM.メスプレ、G.バキエ、N.ゲッダらが登場する。歌曲以外ではVnとPfのための「右と左に見えるもの」なるソナタ風作品。最後にチッコリーニの独奏で締められる。M.メスプレは「潜水人形」の1曲だけ登場するが、一番長い歌曲でB面のハイライトといえる。Vnソナタ風「右と左に見えるもの」ではヤン・パスカル・トルトゥリエがソロをとる。伴奏は全ての曲でチッコリーニが担当。稀少作品集の名前の通り滅多に録音されない曲ばかりで、サティの大作以外の小品に興味がある方はこれを逃すとお目に掛かれなくなる可能性もある。エリック・サティ(1866 - 1925)はフランスのオンフルール生まれ、パリ育ち。「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られる。ドビュッシーやラヴェルに影響を与えた。彼は様々な西洋音楽の伝統に問題意識を持って作曲し続け、革新的な技法を盛り込んでいった。既存の音楽にはなかった新しい雰囲気を醸し出すことに成功しているが、この大きな潮流は、サティに発するものである。ピアノ作品以外にも多くの斬新な曲を書いている。このLPでそれらの一部を聴くことができる。

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