商品コード:1373-063[DGG] L.ベルマン(pf) / リスト:「巡礼の年」全集Vol.3/第3年(全7曲)
商品コード: 1373-063
商品詳細:1977年5月ベルマンはドイツ・ミュンヘン・ヘルクレスザールでリスト:巡礼の年の全曲録音を行い、バラで3枚・2531 257/2531 258/2531 259で単売発売。同年3枚組箱2740 175でも発売された。リスト弾きで知られるベルマンだが勇舞な録音は「超絶技巧練習曲」全12曲であり、「巡礼の年」はMELODIYAに録音はなく、これが初録音となった。ラーザリ・ベルマン(1930- 2005)はレニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。クサンドル・ゴリデンヴェイゼルに師事するかたわら、スヴャトスラフ・リヒテルやヴラディーミル・ソフロニツキー、マリヤ・ユーディナからも指導を受けた。エミール・ギレリスから「音楽界の神童」と呼ばれた。だが1975年の米国デビューの後にベルマンは引く手あまたとなり、ドイツ・グラモフォンやEMI、CBSらが奪い合うようにして録音に起用した。ベルマンはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を、ヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮で録音しただけでなく、1976年には「国際連合の日」を記念して、アンタル・ドラティの指揮で国際的なテレビ放映に出演した際にも演奏した。1977年には初来日して、やはりクラシック・ファンの注目を浴びた。一躍西側で注目を浴び、時代の寵児となる。長年にわたり当局に監視されていたベルマンは、1975年11月突如として出国が許され、すぐDGGと契約。年内に早速カラヤンとのチャイコフスキーPf協1番が録音され、カラヤンは彼を大絶賛。DGGでのリストはジュリーニ/ウイーンpo.との協奏曲集が1976年に発売された後の1977年5月ミュンヘンで録音されたのが巡礼の年の全曲録音である。DGG録音ではMELODIYA時代のようなピアノを破壊するのではと危ぶまれるほど豪快な打鍵は影を潜めやや大人しくなっている。それでもこの時代の大手レーベルでは見られなくなった一音一音が矢のように飛んでくるような尖った演奏である。'70年代後半に、これほど強い演奏ができるピアニストは多くない。表現力が格段に上手い。西側に出て丸くなったベルマンではあるがそれでもこの時期としてはかなり攻撃的な演奏ではある。時にドキッとするパンチが飛んでくる。ベルマンの西側録音ではレベルの高い演奏である。村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に何度も繰り返し登場するのが、このベルマンによるリストの『巡礼の年』である。中でも特に登場回数が多く、キーになるモティーフとして重要な役割を果たしているのが第1年「スイス」の中に含まれる第8曲「郷愁」(ル・マル・デュ・ペイ)である。村上春樹は敢えて原語をカタカナ表記している。録音としてはチッコリーニのEMI録音が人気であるが、ベルマンの録音はセカンド・グループとして十分射程に入る録音ではないだろうか?バラでも箱でも全曲出ている。
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