商品コード:1370-011[DECCA] W.ケンプ(pf)/ モーツァルト:Pf協奏曲9番K.271, Pf協奏曲15番K.450
商品コード: 1370-011
商品詳細:1953年9月スイスでのモノラル録音で初出は1954年。バッハ・リサイタルと並ぶDECCAモノラル期の名演の一つ。指揮のミュンヒンガーに引っかかる方もおられるとは思うが、この録音では意外なほど滑らか。LXTナンバーらしく、中音域のエネルギーは強い。ケンプのピアノは落ち着いており、よく膨らんだ優しい音色。全てを包み込むような包容力と、慈愛に満ちた大きな存在を感じる。ハスキルとは異なる方向での高次元の演奏。この後1958年からDGG専属に。これをおいて他に無し!ケンプのDECCA時代の傑作録音の一つ!完全なオリジナルで然も状態の良い盤は滅多にない。シュトゥットガルト室内o.がスイスまで出掛けた録音で当時では珍しい。ケンプのモーツァルト協奏曲は、8,9,15,20,22,23,24,27番の録音があるが、この2曲が中でもトップランクの出来ではないだろうか? ミュンヒンガーのカッチリしたオケに巻き込まれることなくロマンチックでありながらこぼれ出る気品は、DGGへ移籍後には二度と蘇らなかった。これはケンプの代表的名盤として間違いのないLPである!後のDGGでの6曲と比較すればケンプ自身のエネルギーは確かに強く、1960年代録音の方がモーツァルトらしさは出ているが、この1953年における両者の勢いと気概は相当なもので、オケの暴走する手前で上手く抑えて纏めたケンプの手腕と感性がこの録音を価値の高いものにしている。ただ落ち着いてしまったモーツァルトは面白味に欠けるからである。多少のスリルが無くては名盤は誕生しない気がする。
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