商品コード:1364-024[DECCA] W.バックハウス(pf) / ベートーヴェン:初回Pfソナタ全集vol.4/ 23番「熱情」, 28番
商品コード: 1364-024
商品詳細:バックハウスの旧録音をバラで揃えるのは大変なことだが、挑戦するだけの価値はある。2回目ステレオ録音とよく比較されるが、まったくコンセプトの異なる演奏であり、単に演奏者が同一人物であるということに過ぎない。SXLの音質は確かに魅力的だが、曲に迫った演奏と言えば、これを避けて通るわけにはいかない。達成するのが困難なものほど、趣味としては一つのロマンがある。このピアノには、そんなロマンを掻き立てるものがある。レアな番号。録音は1950年から始まり1954年頃まで続いた。当初DECCAのプロデューサーであるジョン・カルショウはグルダにDECCAで最初のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集を発売すると口約束していたようだが、いつの間にかバックハウスでその全集録音は発売されることとなる。バックハウスは比較的短期間の1950~54年にソナタ全32曲を録音し、1955年にはさらにデイアベリ変奏曲まで発売された。更に1960年代に入ると2回目の全集録音まで始めてしまう。グルダはDECCAに全曲録音を行ったにも関わらず、発売は一部にとどまり、約束を反故にされたグルダは1950年代後期にはDECCAを去り、AMADEOで初めてベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集を発売した。バックハウスは最初のピアノ・ソナタ全集が終わると、ステレオによる協奏曲全集まで請け負った。バックハウスがこの録音を開始した1950年には既に66歳であり、芸風は既に枯淡の境地に達しており含蓄のある演奏である。カルショウがバックハウスでやることを決定したことも理解でき、結果的に大きな成功を収めた。英国出身のピアニストでここまでの力を持ったピアニストはいなかったはずである。辛口であり、その威風堂々とした語り口は当時誰も真似のできない孤高の至芸であった。バックハウスが2回目の録音に着手した時は既に70歳を超えていたことを鑑みると、やはり全盛期である初回モノラル全集を聴いてからSXL盤に手を出すべきであろう。何方も聴ける余裕が有れば尚更よいが、モノラル録音の言いようのない深みはニ度と再現不可能な芸術であることは確か。音質も極めて良い!
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