商品コード:1364-034p[DECCA] F.グルダ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ集-4/ 3番, 19番, 20番
商品コード: 1364-034p
商品詳細:グルダは若い時期からベートーヴェン・ソナタ全曲録音に並々ならぬ意思を持っていた。24歳の時の1953~54年に、ウィーンのラジオ放送局(RAVAG)のために行ったセッション録音が存在したことが解かったがLPは未発売。DECCA時代の1948-1958年のDECCAへのモノラル全集録音がある。11年の期間をかけて全曲スタジオ録音されたにも関わらず全て発売されず、全11枚のLPに21曲だけがLXT番号で発売された。録音はされたが11曲は未発売のままとなった。理由はプロデュサーのジョン・カルショウが1950年からバックハウスにも録音を与えた為である。元々カルショウはグルダに初の全曲録音を任せるとの口約束をしていたらしい(真相は不明)。だがらグルダは1948年という早い時期から録音を開始した。しかしDECCAのベートーヴェン・ソナタ全集はバックハウスで発売された。バックハウスは録音を急ぎ1954年には全32曲を完成させた。グルダより先に終わらせる意思が濃厚だったことは明らかである。グルダはグルダで当然自分の全集が出来る予定だと考え、1958年までに全曲録音を行った。しかしDECCAは11枚(21曲)のLPを発売したのみで、全集ではバックハウスを優先!その為かグルダは1959年にDECCAを去った。1967年AMADEOに全曲録音を行い11枚のLPにステレオ録音の全集を発売した。DECCAを去っことはグルダにとって正解だったと思われる。カルショウは個人的に気の合わない器楽奏者には冷淡だったと言われている。またカルショウはピアノなどの器楽に興味を持っていなかった。その為、ケンプ、フルニエら大物ソリストは1960年以前に大挙してDECCAを去っている。カルショウはセールス的にうまみの大きいオペラに比重を置いていた為とされるが真実は解らない。グルダはPHILIPS、AMADEO、DGGなどで大きな仕事を残し、名実ともに一流ピアニストに名を連ねた。この古い録音を聴く限り稀有な才能を持ったピアニストであったことが分かる。今から見るとカルショウが1884年生まれのバックハウスに舵を切った点は十分に理解できる。しかしグルダにはグルダの魅力があり、老練なバックハウスにはない若く新鮮な解釈は今聴いても斬新なものと感じる。まだグルダ節と呼ぶには発展途上ではあるが、若き日のグルダの記録として、全11枚のベートーヴェン・ソナタ集には大きな価値があることは確か!
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