商品コード:1364-044[DECCA] J.カッチェン(pf) / メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ1番, 歌の翼に, リスト:メフィスト・ワルツ1番 他
商品コード: 1364-044
商品詳細:ジュリアス・カッチェン(1926 - 1969)は米国生まれなのでクリフォード・カーゾン( 1907- 1982)と比較はできないが、二人ともDECCAで活躍したピアニストである。ユネスコ国際フェスティバルにアメリカ合衆国代表として出席、フランス国立放送管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」を共演した。1947年の春にヨーロッパ各地を廻り、ローマ、ヴェネツィア、ナポリ、パリ、ロンドン、ザルツブルクで演奏活動を行った。その後はパリに永住することを決意する。1940年代後期にDECCAと契約を交わしたようだ。1969年春、肺癌の為わずか42歳で帰らぬ人となった。短い生涯の間にDECCAには多くの重要な録音を残したが最大の貢献はブラームスのピアノ独奏曲とピアノ協奏曲の全てを録音したことだろう。DECCAで最初の全曲録音である。以降ブラームスのピアノ独奏曲全集はカッチェンで決まり--という不文律が出来上がったように思う。クオリティの高さと存在感の大きさは牙城の如くこれからも変わることはないだろう。グルダのように若い時期からその才能を認められたピアニストであった。42歳の若さで癌の為亡くなったことでDECCAへは多くの音楽家が弔辞を寄せたという。カッチェンが1954年に初来日した際、帝国ホテルで行われた対談でこう話している。以下は雑誌に収録された本人の弁である--「(母親だけでなく)祖母にも習いました。祖母はモスクワとワルシャワの音楽学校の先生でした。祖父も音楽理論の教授でした。ですからアメリカ育ちですが、私は実は伝統的なロシアの音楽教育をうけたわけです。私の家庭は、いわば私設のロシアのコンセルヴァトワールでした。」「私が習ったのは、レシェティツキーの流派のメトードですが、個々のそれぞれ異なる性格、音楽性、肉体的条件を尊重し、洞察し、その自然な成長と待つという方法です。」出典:『TBS Vintage Classics/Julias Katchen』のブックレットに記載されている『音楽の友』1955年3月号の「<対談>カッチェンとの五十五分間--。活動期間は20年ほどと短かったがDECCAに大きな遺産を残した。これは1953年のモノラル録音で特に希少なメンデルスゾーン/リスト・リサイタル盤。カッチェンとしては珍しい内容である。メンデルスゾーンではドラマティックな表現でよく回る。力強い骨太なタッチで硬派な印象。男性的と言って良い。メンデルスゾーンというと女性的で繊細なイメージがあるが、このような線の太いパンチのある演奏はあまりない。抒情的な作品である「歌の翼に」はリストが歌曲から編曲したもの。弱音で始まり、説得力を込めた優しい演奏。B面のリストもなかなかたくましい、芯の強い音で締める。「葬送曲」もガツンとくる打鍵で痛快な演奏。曲により変化を付けるカッチェンだが、このLPに関してはなかなか強弱激しく責め立てる。初入荷の珍品!
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