商品コード:1362-025pb[TELEFUNKEN] J.カイルベルト/ ブルックナー:交響曲9番(ノヴァーク・原典版)
商品コード: 1362-025pb
商品詳細:モノラルの濃厚な音。ハンブルクを振っている。古い盤ならではの味わいがたっぷり。フラットから出てくる音はモノラル・ファンが喜ぶあのズシリと腹に響く安心の音。心おきなく身を委ねられる。カイルベルトの実直な演奏は小細工なしの正攻法。こういった演奏は何度聴いても飽きない。ステレオ期のやたらうるさいブルックナーからすると大人しい印象を受けるかも知れないが、その節度あるオケは実に好ましい。ステレオはモノラル初出から4年後の1960年頃初リリースされた。こういう場合モノラルの初期盤の存在感は大きなものがある。1951年レオポルト・ノヴァークによる校訂版を用いる。作曲者による異稿は存在しない。原典版の記載にはオーレル版、ノヴァーク版、コールス版の4種が存在するが相違は少ない。第4楽章は作曲者の死去によって未完成のまま終わっている。カイルベルトも第3楽章までとしている。第4楽章が演奏される場合には補筆完成者の名前を謳って「○○稿に基づく」といった注釈がなされる。ブルックナーは1896年10月11日、死去する日の午前まで第4楽章の作曲に携わったが、午後3時過ぎに息を引き取り、結局全曲を完成させることはできなかった。カイルベルトは、カラヤンと同年の1908年生まれ。1968年に没した戦後のドイツを代表する指揮者の一人。長年にわたり常任指揮者を務めたバンベルク交響楽団とハンブルク・フィルの2つで多くのドイツ・ロマン派作品を録音した。ベルリン・フィルにも多少の客演録音がある。カイルベルトはカラヤンとは真逆のスタイルを持ち、聴き手に全く忖度しない演奏を貫いた。自国のドイツでさえ一般受けのしない指揮者の代表格であった。その為人気はなく、しかも60歳で亡くなってしまった為、長い間日陰のような存在であったが、ドイツのオケの伝統をきっちり受け継いだカイルベルトのスタイルがアンチ・カラヤンの流れからじんわりと知られるようになり、2000年頃から世界的な人気の高まりを見せることになる。時を同じくして、コンヴィチュニーなどの職人気質の指揮者が台頭しはじめ、ギュンター・ヴァントの名前が賑わうこととなった。ヨーゼフ・カイルベルトはそれら職人気質を持ったグループの先駆けとして、これからも評価されるに違いない。ブルックナーは特にカイルベルトのスタイルが生きる作品であろう。ブルックナーの正規録音は6/9番の2曲だけである。
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