商品コード:1362-036p[TELEFUNKEN] P.v.ケンペン/ ブルックナー:交響曲4番「ロマンティック」, シベリウス:交響曲7番
商品コード: 1362-036p
商品詳細:オランダ・アムステルダムの南東にヒルバーサム(Hilversum)という街があり、車だとアムステルダム市内から30~40分位の場所。広大な緑に囲まれた自然豊かなこの地域には映画スタジオやラジオ、テレビ局がある。この録音もヒルバーサムにあるオランダ放送局MCOスタジオで録音されている。指揮者ケンペンは1950-54年頃にこのヒルバーサム・オランダ放送o.と数枚のモノラル録音を残していて、これは1950年の初期の録音。パウル・ファン・ケンペン(1893 - 1955)はオランダの南ホラント州ズーテルヴァウデに生まれ、アムステルダム音楽院でユリウス・レントヘン(レントゲン)、ベルナルド・ズヴェールスに作曲および指揮を、ルイ・ツィンマーマンにヴァイオリンを学び、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の第2ヴァイオリニストとして音楽キャリアをスタートさせた。1932年にドイツ国籍を取得、1933年に指揮者としてデビューする。1934年にドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任し、1942年から1944年までヘルベルト・フォン・カラヤンの後任としてアーヘン市立歌劇場の音楽監督を務めた。第二次大戦後、活動の場を故国に移したが、ドイツ国防軍の慰問演奏会を行うなどといった戦時中のナチス政権との関わりが問題視され、物議を醸した。1955年、アムステルダムにて没。ドイツよりのケンペンに対しPHILIPSはあまり良い処遇をしなかった為、我々の知るケンペンの録音はDGGに残された晩年のケンプやシュナイダーハンとの協奏曲録音が目につく。DGGへの移籍年は不明だが、それ以前にはベルリンpo.とのベートーヴェンの3番/7番/8番等の交響曲録音が思い出される。これはケンペンのPHILIPS以前のTELEFUNKENによる最初期録音でオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(在任・1949-1955)の時期と符合する。このオランダ放送po.時代は大作よりも、このようなオペラからの管弦楽曲がメインを占めていた。ラジオ放送で流すのに丁度良かったのだろう。恐らくこの録音も当時のラジオで放送された録音と思われる。聴いてみると古い録音にも関わらず、隅々まで手入れがされたような瑞々しい美しい音が出てくる。放送局のオケは当時二流だろうと勘ぐっていたが、それを遥かに裏切る演奏には驚く。実力がありながらナチへの協力疑惑から生涯浮かばれなかった指揮者ケンペンの真骨頂を見る思いである。本体のコンセルトヘボウo.とは録音こそあるものの決してポストをもらえなかったオランダ最強の指揮者の実力をこの録音で理解されるだろう。信じ難いほどの高音質録音でモノラル・オーディオファイルLPと認定する!何故か英国TELEFUNKENの録音らしく、ドイツ盤が存在するか不明。大変希少な録音!
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