商品コード:1357-044[HMV] A.プレヴィン/ プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」(全曲)
商品コード: 1357-044
商品詳細:これまで西側ではアンセルメ/スイスロマンドo.が抜粋盤の録音をしていただけで、全曲録音は全て旧ソ連勢が占めていたプロコフィエフの名作バレエ音楽「シンデレラ」。チャイコフスキーのバレエ作品とは根本的に発想が異なる曲想の為か、チャイコフスキーは盛んに録音されてきたが、プロコフィエフは何とプレヴィン/ロンドンso.が初めて西側レーベルからの全曲録音を行った。組曲はSUPRAPHONからJ.メイラン指揮プラハ放送so.と、Concert HallにL.ストコフスキー指揮ニューヨーク・スタジアムso.の録音がある程度で、バレエ曲全曲録音はこれが西側初となると思う。プレヴィン/ロンドンso.はこれまでにもチャイコフスキーのバレエ作品の全曲完全録音を行うなどロシアのバレエ作品の録音には実績があった。そのプレヴィン/ロンドンso.も1983年のデジタル期になって録音を行った。恐らくプレヴィン/ロンドンso.がやらなければ誰も録音しなかったのではと推測する。調べてみると同じ1983年3月にアシュケナージ/クリーヴランドo.も全曲録音を行っている。プレヴィンよりもひと月早い録音なので当盤は最初とは言えないが、LPとして入手は殆どないに等しく、EMIから出ているプレヴィン盤に注目したい。全曲は50曲からなる大作であり、演奏は大仕事となる。普段からプロコフィエフ作品をやっていないと準備が大変であろう想像は容易につく。組曲版の演奏が多いことも当然だろう。しかし組曲は単なる管弦楽曲と同様でストーリー性を無視した抜粋でしかない。誰もが知る「シンデレラ」を聴きながらストーリーを頭の中で再現できてこそバレエ音楽としての使命を果たせる。そういう点でプレヴィン/ロンドンso.は非常に良い仕事をした。ロシア的であるかないかは演奏のクオリティとは別物であり、まず録音がされない中で高いクオリティの完全な演奏が求められることは言うまでもない。難解な作曲家で知られるプロコフィエフのあらん限りの叙情性が強く出た作品として知られている。原作が力量を試すに十分すぎる舞台となった。その叙情性もチャイコフスキーとは質が異なるゆえに指揮者泣かせであることは勿論だろう。バレエ作品で腕を磨いたからゆえの録音だったに違いない。チャイコフスキーの前に挑む性質の曲ではないからである。デジタル録音とはいえ、我々のよく知る「シンデレラ」がごく自然にイメージできる演奏という点でこれを超えるLPはないと言える。
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