商品コード:1351-027[RCA] A.ルービンシュタイン(pf)/ ベートーヴェン:Pf協奏曲5番「皇帝」
商品コード: 1351-027
商品詳細:ルービンシュタインのベートーヴェンPf協奏曲全集は大きく分けて1956年のJ.クリップス指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア(モノラル/ステレオ)と1963-7年ラインスドルフ/ボストンso.(ステレオ)の2種がある。その後1975年頃バレンボイム/ロンドンpo.と3度目の全集がある。2/3/4番はSP期の別録音がある。これは最初の1956年ステレオを含む全集の一つである。SP期に5番の録音はなく.クリップス指揮が初回録音となる。シンフォニー・オブ・ジ・エアは旧NBC so.が発展したオケで、トスカニーニが率いていた楽団と同じ。トスカニーニの死後、TV局に見離され自主運営で活動していたが経営に行き詰まり数年後に解散。トスカニーニあっての楽団だったことが明白となった。この時期のルービンシュタインは録音時に「私のピアノの音は全て聴こえなければならない」とクリップスに抑え目に伴奏させ、自分はガンガン鳴らすことを譲らなかったとか。その為ソロは非常にくっきりと、しかも思う存分ルービンシュタイン節を聴かせる。そういう点では次のラインスドルフとの録音より優れている。録音もオンマイクで非常に良い。RCAでは既にステレオが始まっておりモノラル/ステレオ両方が発売された。この時期のステレオ・ジャケットはトレードマークとなった2つのにスピーカーから3色の矢印で表現された◁ LIVING STEREO ▷のロゴが付き、遠くからでもRCAのステレオ盤であることが一目で分かるようになっている。1980年前後は世界的に◁ LIVING STEREO ▷が大人気となり、今はなりをひそめた米国盤の◁ LIVING STEREO ▷が信じ難いほどの高額で販売されていた。今考えるとあれはバブルのようなブームだった。中でもハイフェッツとルービンシュタインは花形であり、このレコードなどは当時のスターダムのLPであった。今なら米国盤は当時よりずっと安価に購入できるが英国ステレオ盤は例外で、良いものが急に廃れることはない証左だろう。1956年当時のルービンシュタインは1960年代に粗製乱造されたステレオ音質優先時期の凡庸なスタイルではない。まだまだ一音一音を丁寧に心を込めて弾いていた時期であり、よき時代の録音である。3回の全集のなかでは最高位の内容である。クリップスのオケもまたDECCA時代と変わらない真摯なもので、特にピアノとオケのバランスの良さはコントロール・ルームで調整されたバランスでは得られない自然な絶妙さがある。これぞ職人気質のクリップスの技といえるだろう。米国のオケだがクリップスの手腕により国籍を全く感じさせないクオリティを誇る。この初回録音があれば、2/3回目の録音はとるに足らない内容といえてしまう。ルービンシュタインやハイフェッツのような息の長い音楽家に関しては時期が重要といえる。時期を誤らなければ、当時の水準以上の満足を与えてくれるだろう。新録音が出るごとに旧録音が忘れ去られるが、それはメーカーの戦略であり、それに乗ってはいけないのがクラシック音楽の世界なのである。雑誌や、諸先生方は本当の事を言わないという事実を忘れてはならない。真実を明らかに出来るのがしがらみのない我々中古業者なのである。RCAステレオにおいては英国プレスが最上級であることも事実である。
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