商品コード:1350-001[Ducretet Thomson] A.フェルバー(pf) / ベートーヴェン:変奏曲集
商品コード: 1350-001
商品詳細:これがデュクレテ時代の唯一のベートーヴェン。10"より小さい8.5"ぐらいの大きさで、当時はこの大きさの盤は少なからずあった。この時代でしか聴くことのできない味わい深い音が刻まれており、そのニュアンスは前出の英国レーベルではついに出すことが出来なかった。フェルバーの輝いていた時の貴重な記録。Selmer付。アルベルト・フェルバー(1911- 1987)はピアノ好きの方ならご存じだろう。スイス・ルツェルン生まれ。ルツェルンはドイツ語圏なのでアルベール・フェルベールではなく本来はアルベルト・フェルバーとなるが、フランスに居た間はDucretet Thomsonで活躍したので、当然アルベール・フェルベールと名乗っていたと思われる。彼は1960年代に英国に移住し、SAGAなどの英国レーベルに録音を行っており、当然アルーベルツ・フェーバーになったはずである。移住の度に呼び方が変わる欧米は厄介である。アルベルト・フェルバー、アルベール・フェルベール、アルーベルツ・フェーバー、どれもその時々で正しいが、統一が重要なので当社では出生国の呼び方であるアルベルト・フェルバーで統一する。フェルバーはスイスでK.ライマーに学び、ザールでヴァルター・ギーゼキングに師事した。フランスではマルグリット・ロンの薫陶を受けた。セルゲイ・ラフマニノフのスイス滞在時に、ラフマニノフから助言をもらっている。1939年にはロンドンに渡り、ジェームズ・チンのピアノ学校で助手をしながら演奏活動を行うようになった。映画音楽方面でも仕事をし、アルバート・バル=スミス監督の"The Hangman Waits"や"Death in the Hand"等では音楽を担当し、ブライアン・デズモンド・ハースト監督の"The Mark of Cain"ではピアニスト役として出演した。1940年代には盛んに英国の指揮者やオケと共演。SP録音もある。LPでは1951年頃英DECCAの10"(LM 4544・シューマン:子供の情景Op.15/メンデルスゾーン:無言歌(6曲))に初めての録音を行った。その後Ducretet Thomsonに移籍し、ドビュッシー全集等の録音を残す。1957年頃までDucretet Thomsonに録音があった。1959年頃英SAGAに移籍。今となってはどれもお宝級のLPとなっている。Ducretet Thomsonではドビュッシーのピアノ主要曲を担当したが、ドビュッシー以外の録音もあり、これがその代表作。。彼の音には程よい倍音があり、一音でも聴く人を魅了する力がある。雰囲気で聴かせるタイプではなく、強烈なアタックと共ににダイナミックで生命感溢れる音を出すスーパーピアニズムの持ち主。マイナーなベートーヴェンの変奏曲2曲入りだが、フェルバーの美学に彩られた演奏は大きな説得力を持つ。
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