[ETERNA] P.レーゼル(pf) / シューベルト:さすらい人幻想曲, 4つの即興曲
商品コード: 1310-035nb
商品詳細:シューベルトEDのピアノ・ソナタ全集は、ほとんどツェヒリン1人が担当し、全13枚のLPでソナタをほぼ網羅した。しかし、レーゼルも「さすらい人幻想曲」他3枚を担当。これらの他にシューベルトEDとして、四手のソナタ3枚が別にある(レーゼル/ツェヒリンではない)。過去にほとんど単売がないほど、入荷は少ない。ツェヒリンのカチッとしまった、スキのない強固な建造物のような演奏に比べ、レーゼルのそれは、少し遊び心を持ち、人肌に優しい演奏である。ペーター・レーゼル(1945-)はドレスデン生まれだが彼が「ブリュートナー」というライプツィヒで創業したピアノメーカーのものを使っていると読んだんだことがある。「ブリュートナー」こそライプツィヒ楽派の必須の道具である。業界に「ライプツィヒ楽派」なる確たる用語はないらしいが、個人的にペーター・レーゼルこそライプツィヒ楽派の後継者なのではとひそかに思っている次第。ベートーヴェンとシューベルトの全集録音はETERNAの重鎮のツェヒリンが担当した。レーゼルが唯一ETERNAでの全集録音を任されたのがブラームス・ピアノ作品全集(全7枚)であった。これはシューベルト・エディションのピアノ部門としての1972-5年頃の録音の一つである。1960年代のシューベルト演奏に多い過度なロマンチシズムを排し、落ち着いてはいるが爽やかさが漂う洗練された美しい演奏である。全体の音は柔らかいのにクリアーな印象が出ている。音の輪郭がシャープで鮮明なのが特長だろう。べったりしたところがない。とにかく音が綺麗で清々しい印象を受ける。逆に苦悩するシューベルトは味わえない。20年前はほとんど無名のレーゼルだったが、2005年にはドレスデン音楽祭で紀尾井シンフォニエッタ東京との共演によりベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏した。この縁が元となり2007年4月に日本では30年振りとなるコンサートを紀尾井ホールで開催した。さらに2008年10月からはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を同ホールにて4年にわたり演奏するプロジェクトが進行された。ETERNA音源のCD化も進んだようでレーゼルをCDで知る人も多くなった。レーゼルはシューベルト・エディションのピアノ・ソロ部門で3枚だけ担当した。ETERNAの中でも特別な録音シリーズといえる。チャイコフスキー国際コンクールにドイツ人として初めての入賞を果たしたことは知られていない。
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