[CBS] B.ワルター指揮コロンビアso. / シューベルト:交響曲9番「グレイト」
商品コード: 1305-038
商品詳細:ワルターと文通の経験もある評論家、故宇野功芳氏はその著書「名指揮者ワルターの名盤駄盤」で特にシューベルト:交響曲9番を高く評価している。---“スケルツォ以降はワルターのすべてのレコードの中でも最高傑作に数えられるものであろう。それどころかフルトヴェングラーやベームに比してもぼくはこのワルターを第一に買いたいのである。"--。ワルターは1957年に心臓発作で倒れてしばらく休養していた。そこにコロンビア・レコード社の経営陣はカリフォルニア州ビバリーヒルズにおいて半ば引退生活を送っていたワルターに、一連のレパートリーのステレオによる再録音するよう説得する。同社はワルターの芸術をこの最新技術のステレオで後世に残すべく、特別編成のオーケストラであるコロンビア交響楽団を組織する用意があると説得した。このプロジェクトは早速1957年から始まり、優先度の高いベートーヴェン、ブラーム、モーツァルトの交響曲を次々に完成させていった。そして1960年前に重要な作品であるシューベルトの9番をしっかり録音できた。綿密な計画のもとに録音が進行したのだと考えられる。シューべルトは5/9番がコロンビアsoと8番がニューヨークpo.とメジャー3曲がステレオで録音出来ている。8番がなぜニューヨークpo.となったのかは不明だが、1959年に古巣に戻っての録音となった。1957年~61年という僅か5年間に多くの録音を残し1962年2月に心不全のためカリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で85歳で死去となる。 もしワルターが1957年でそのまま引退していたらCOLUMBIAのステレオ初期録音は誰が行ったのかと考えると、歴史には分岐点、転換点が存在していることが見て取れる。コロンビア交響楽団も存在したか不明であり、ワルターはモノラル期の指揮者という評価で終わった可能性もある。特に名演と言われる「グレイト」を聴きながら、ふと歴史の不思議を考えた。
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