[CBS] R.ケンペ指揮ミュンヘンpo. / シューベルト:交響曲9番D944「グレイト」
商品コード: 1305-042t
商品詳細:ケンペが1970年代にミュンヘンpo.と振った珍しいCBS録音。S 72710が初出番号で今までの入荷は殆どクラヴ番だった。1968年のDGGプレスと思われる。'70年代、ケンペは本当にあちこちのレーベルに録音を入れているが、どこで振っても、芯のブレないケンペ流の流儀を貫いている。本物の巨匠。ミュンヘンpo.の音楽監督になって彼の録音歴の中で最も積極的な録音活動を行った。殆どレーベルはELECTROLAだが丁度ELECTROLAには出すべき別指揮者の「グレイト」があったようだ。この曲は特別CBSの録音となった。あるいはCBSとのバーター録音だったのかもしれない。'70年代における「グレイト」の傑作として、永く聴かれる、聴き伝えられることを願う。スケールの大きな演奏。プロデューサーはハンス・リヒャルト・シュトラッケ(1932-2010・Hans Richard Stracke)で、ケンペ/ミュンヘンpo.による全録音は1968年5月22-27日にかけての6日間でLP4枚を録音した。それらのメインとなるのがシューベルト:グレイトである。録音技師のヘルムート・コルベ(1926-2002・Hellmuth Kolbe)はスイス出身でピアニスト・作曲家・指揮者・楽譜編集者などの活動をしている。1955年~75年にかけてCOLUMBIA/CBSの欧州録音の多くに関わっており、ブーレーズのベルク「ヴォツェック」、バーンスタインのマーラー「一千人の交響曲」やベルリオーズ「レクイエム」などは代表作。ケンペとの録音では、チューリヒ・トーンハレとの名演3曲(ベートーヴェン「第5」、ドヴォルザーク「新世界」、ブルックナー「第8」)の録音も務めた。ケンペが何故ドイツCBSにこれらの録音を行うことになったかは不明だが、ケンペの空き時間の隙間を狙って期間限定で録音されたことは間違いないだろう。ミュンヘンのビアホール・ビュルガーブロイでの録音はこの後ELECTROLAで有名なベートーヴェン交響曲全集が行われることになる。その手始めのような印象を受けた。ケンペは1967年ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任し、1976年まで務めた。それ以前はロンドンにいてロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(在任・1961-1975)を務めていた。EMIに籍があり、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団に移った際にEMIとの契約が切れたのだと思われる。ドイツへの赴任が決まり、籍が空いた時期をドイツCBSはすかさず狙ったのだろう。或いはこの時点でELECTROLAとの契約が済んでいた可能性が高い。引っ越しと契約の隙間を有効に使った録音だったようだ。LP4枚分を録音したがやはり白眉はシューベルト:グレイトだろう。音質もELECTROLAの薄味な音よりずっと良い。ロンドン→ミュンヘンの合間の録音としては出来すぎなほど充実した演奏で分厚いオケがしっかり聴こえる。ELECTROLAのベートーヴェン交響曲とは雲泥の差がある。このままCBSに留まったなら、もっと良い音質で多くの録音が生まれたのでは?
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