[DECCA] W.ボスコフスキー指揮ウィーンpo./ウィーン歌劇場cho. / 「1974ニュー・イヤー・コンサート」
商品コード: 1304-056
商品詳細:1974年1月1日用ニューイヤーコンサートとして、録音されたもの。ヨハン・シュトラウスばかり10曲収録。DECCA社も1970年から小デッカになったが、SXLサウンドは健在だ。ややスケール感が縮小したが、同年代の他レーベルと比べれば、圧倒的に高音質。ボスコフスキーもヴァイオリニストより、ニューイヤーコンサート指揮者としての地位が不動のものになっている。毎年、彼の演奏を楽しみに待ちわびる聴衆(レコード・ラヴァー)がいたのではと想像できる。この企画はずっと続く。クレメンス・クラウスに始まるニューイヤー・コンサート用LPはDECCAにとって安定したプログラムだった。意外にもレコードジャケットにはっきりと「ニューイヤー・コンサート」と印刷されるようになったのは1966年用からでそれ以降は必ず、「ニューイヤー・コンサート」の文字が入るようになる。しかしボスコフスキーにより続いてきたシリーズも1979年用を以ってDECCAでは終了してしまう。1955年 - 1979年まで計25年間続いたボスコフスキー体制は終了し、翌1980年のニューイヤー・コンサートの指揮者はロリン・マゼールに交代したからである。健康上の理由らしいが、その後もウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団ではしばらく指揮棒を振り続けた。1970年からはウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団を率いて毎年のように来日、日本各地でニューイヤーコンサートを開いた。NHK交響楽団にも客演し、その演奏はキングレコードよりCD化されている。これはまだまだ気力が充実していた1974年元日用のLPでコンサート会場でも並べられて発売されたと思われる。録音は半年程前の1973年に行われている。商業主義と国際化の波に呑まれつつあったこのイベントは心身をすり減らしたに違いない。毎年同じ曲目がかぶらないようにする配慮が必要で、それに疲れてしまったのではないだろうか? 次第にエドゥアルト・シュトラウス2世率いるウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団での仕事で余生を送りたいと考えるようになっていったとしても無理からぬ事だろう。最後の来日は、1988年1月1~4日にサントリーホールで初めて開催された「ニューイヤーコンサート」(共演 メラニー・ホリディ)で、このコンサートの様子はテレビ朝日にて放送された。日本でなら選曲は自由である。1990年頃まで活動していたようだが1991年4月21日 スイス・ナスティの病院で死去。81歳だった。悔いのない音楽人生だったに違いない。こうありたいものである。
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