[FONTANA] G.セル指揮クリーヴランドo. / モーツァルト:交響曲40番K.550, 交響曲41番K.551「ジュピター」
商品コード: 1303-014
商品詳細:セル/クリーヴランドo.は複数回モーツァルト:交響曲40/41番を録音している。これは1955年の初回モノラル録音である。米国ではEPICで発売された為、日本ではあまり出回っていない。その後1960年代に入るとセル/クリーヴランドo.は米COLUMBIAが扱うようになりステレオ再録音は米COLUMBIAから出たので、この初回モノラル録音は存在すら知られていない節がある。フランス盤で聴けば音質的な問題は全く感じない。米COLUMBIAへはモーツァルトの交響曲第28/ 33/ 35/ 39~41番、セレナード第9/13番他があり、どれも名演として欧州では各国CBSから発売された。1950年代の録音としては異質なほどの冷徹に徹した情感を排した演奏であり、これがセルの特徴的スタイルとして定説となってゆく。既に1955年の段階でそのスタイルは出来上がっていて、1960年代録音に輪をかけて徹底された印象を感じる。恐らく欧州では異端とされた演奏ではなかっただろうか?このスタイリッシュでスマートな造形が認知されるようになるまでまだ時間が掛かる。1970年来日公演の第40番が特に名高いが、ここまで徹底したものではないだろう。現実を超越したかのような崇高さがあまりに現実離れしていて、初めて聴いたファンはどう感じただろう。欧州で米EPIC音源はFONTANAというPHILIPSの弟分のような小レーベルから出ていて、注目される程のパワーを持っているわけではなかった。米国の指揮者といえば当時ワルターとバーンスタインこそが米国の代表であり、セルの名声はずっと後のことである。再録音のステレオ盤はCBSから大量にプレスされ、多くの賞賛を得たが、1950年代中期でこの演奏は欧州では時代にそぐわなかったと思われる。その証拠にFONTANA盤は非常に珍しく、あまり売れたようには見えない。セルのファンならば是非とも初期録音当時におけるセルのスタイルを知っていただきたいのである。
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