[DECCA] P.マーク指揮ロンドンso. / メンデルスゾーン:演奏会用序曲「フィンガルの洞窟」Op.26, 交響曲3番Op.56「スコットランド」
商品コード: 1303-037p
商品詳細:ステレオはSXL 2246、独SXL 21040。モノラル/ステレオいずれも1960年の発売。モノラルは初入荷。GG中溝プレスで初出。マークの傑作LPの一つ。1960年代も半ばを過ぎると、モノラルはステレオのミックス・ダウンになり、音が悪くなる。このあたりはまだ力が残っていて、モノラルとして楽しむことが出来る。冒頭、序曲「フィンガルの洞窟」から始まり、A面中央から交響曲3番「スコットランド」となる。寒々とした北国の風景がイメージされるオケ。細密画のように細かな粒子で描かれる弦楽が、精度の高いマークの指揮と溶け合う。ステレオは一時7万円超えの高額LPだった。音楽を楽しむだけならモノラルの方が本来の目的に合っている。かえってステレオの方が価値が目減りした時の落胆が大きい。1960年ロンドンでの録音。マークは1950年代後期にパリ音楽院o.と数点の名演を残している。そこにダメ押しの一手をは放ったのがロンドンso.とのこのメンデルスゾーンであった。ペーター・マークは「スコットランド」を得意としていたようでCDしか存在しないライブ録音がこのLPの他にマドリード響(1997)、ベルン響(1986)、東京都響(1993)とあるらしい。東京でも演奏してたとは驚いた。限られた曲しか録音せず、また録音する曲に一貫性はなのだが、何故かマークがやると全てが名演となってしまうから不思議な指揮者である。中でもマークのファンには「スコットランド」こそがベストという声もあるらしい。既に「スコットランド」を何枚か手持ちがありメロディーが口をついて出る方にこそ聴いていただきたい演奏なのは他のマークの録音と同様。高音質であるのは勿論、情感の肉付きが凄い。音はすっきりとしているが、全体のうねりが嵐のような凄まじさである。1960年代中期以降では流石のDECCAでさえ、このレベルのオケのうねりは聴いた事がない。音は決してダンゴにならず、中まで透けて見えるようだが、凄い風が中で渦巻いているのが見えるような音である。この音が見えて来るのがDECCAの録音であり、嵐を起こせる指揮者が居ればDECCAが録音してくれるのだが、残念ながらマーク以降そういう指揮者が出て来ないのである。DECCAはショルティを看板にしたがショルティは嵐を起こせる指揮者ではなかったようである。カルショウが何を考えていたのかは不明だが、ショルティとマークの違いが分からない節穴ではなかったと思うのだが。
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