商品詳細：太陽王ことルイ14世に絶対の信頼を得て宮廷の大役を仰せつかり、フランスに帰化しバロック音楽の中心的存在となったリュリだが、もともとはイタリアの粉挽き職人の家庭に生まれ、正規の音楽教育も受けず殆ど独学でギター等を弾いていたというのだから、人生何が起こるかわからない。諸々の逸話に拠れば、その人格はなかなかの厄介者だったようにも見えるが、音楽の視点から見ると、従来の伝統に思い切った改革を加え、その創意工夫は常に変化に富んでおり、非常にエネルギッシュな人物。オペラもしかり、それまで定番だったイタリア・オペラの手法がフランスの語感にそぐわないと一刀両断、新たに「音楽悲劇」と呼ばれる独自の様式を作り出した。「アティス」はその第4作となる。当時安定的に用いられていたカウンターテナーや女声歌手の男装はなく、劇もフランス好みの流暢な進行に。古楽のスペシャリスト達のクリアな演奏が、作曲家の生来の才能をより際立たせている。(KT)

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